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マスターリース契約(サブリース契約)ってどうなの?

2024.04.08

不動産の賃貸経営を検討していると「マスターリース契約」「サブリース契約」という言葉に触れる機会があるのではないでしょうか。

賃貸経営の仕組みの一つなのですが、聞いたことはあるけど内容がよく分からない、という方も多いかもしれません。

 

今回はマスターリース契約の概要メリット・デメリットについて解説します。

 
 

マスターリース契約とは

マスターリース契約とは、不動産会社が第三者への転貸を目的に物件の所有者と結ぶ特定賃貸借契約のことを指します。

サブリース契約は、物件の所有者から借りた不動産会社が、入居者(第三者)との間で結ぶ転貸借契約のことを指します。

 

つまり、不動産会社は所有者とマスターリース契約を、入居者とはサブリース契約を結ぶことになります。

この二つの契約は厳密にいうと意味が異なるのですが、マスターリースはサブリースを前提とした契約のため、一連の契約をまとめてサブリース契約と呼ぶこともあります。

 
 

マスターリース契約のメリット

マスターリース契約の主なメリットについてみていきましょう。

 

手間が軽減できる

先述のように、マスターリース契約は所有者と不動産会社が結ぶ賃貸借契約であり、所有者が個々の入居者と結ぶ必要はありません。

そのため、入居者が変わるたびに契約を結ぶ手間もなく、所有する物件の戸数が多い方には大きなメリットといえます。

 

また、不動産の煩雑な管理業務も不動産会社に任せることができるため、所有者の手間は大幅に軽減されるでしょう。

 

空室のリスクが軽減できる

マスターリース契約は、賃料の支払い方法によって二種類に分けられます。

 

中でも空室保証型(固定型)は、空室の状態でも不動産会社から所有者に一定の賃料が支払われるため、空室による収入低下のリスクを抑えることができます。

 

相続税の節税効果が高い

不動産を相続すると相続性が発生しますが、マスターリースは相続税の節税対策としての効果も期待できます。

 

相続税の算出には相続税評価額が用いられますが、この相続税評価額には「賃貸割合」が大きく関係します。

賃貸割合とは相続時の入居率を指し、賃貸割合が高いほど相続税評価額が低くなり、節税効果が高まります。

つまり、空室が少ないほど節税効果が高くなる仕組みです。

 

マスターリース契約の空室保証型(固定型)では、不動産会社がすべて借りている、満室の状態と考えられるため、節税効果が高まるということになります。

 
 

マスターリース契約のデメリット

マスターリース契約にはデメリットもあるため、事前に確認しておきましょう。

 

完全な賃料保証ではない

先述のように、マスターリース契約の空室保証型(固定型)では空室でも不動産会社から一定の賃料が支払われます。

しかし、長期にわたり空室が続けば不動産会社も賃料を支払うことが難しくなり、賃料の減額などを求められる可能性もあります。

 

当初の契約時よりも収入が下がることは十分に考えられるため、空室保証型(固定型)であっても賃料がずっと保証されているわけではないことを頭に入れておきましょう。

 

所有者からの解約はしにくい

マスターリース契約には、不動産会社から解約されやすいが所有者からの解約はしにくいという側面があります。

 

通常の賃貸契約をイメージすると分かりやすいかもしれませんが、入居者は自由に解約できるのに対し、貸主からはよほど正当な理由がないかぎり解約できません。

これは借主の立場を保護するためなのですが、マスターリース契約では不動産会社が入居者となるため、このようなデメリットが生じてしまいます。

 
 

マスターリース契約には、魅力的なメリットがある反面、注意したいデメリットも存在します。

両者をしっかりと把握し、慎重に検討しましょう。